アンマンから中東を見つめる2009-10-11 04:17

ヨルダンは、人口630万人(2009年度推定値)、面積92,300km2(日本の4分の1)の小さな国で、これまで数奇な運命を辿ってきた国でもあります。
イスラエル/パレスチナ、シリア、イラク、サウジアラビアと国境を接し、エジプト、トルコ、レバノン、イラン、クエート等とも隣接していることが分かります(↓)

※画像はウィキペディアから引用。




対米関係やその他の欧州諸国との関係が安定しており、中東諸国とも一定の友好関係を築いています。そのため、ヨルダンでは欧米諸国と中東諸国の両者の政治的見解について、客観的な立場から情報が提供されています。
また、資源の乏しいヨルダンは欧米諸国や同じイスラム宗教国家同胞としての湾岸諸国より各種援助が提供され毎年財政赤字縮小を図っています。

第二次世界大戦後の中東戦争を発端とし、その後の湾岸戦争、イラク戦争等において、大量のパレスチナ、イラク難民が発生し、ヨルダンはこれらの難民を受け入れてきました。特にパレスチナ難民についてはヨルダン国籍も与え、国家財政が逼迫する中でも各種生活支援を行ってきました。一方で、度重なる周辺国の戦争の度に、富裕層が流れ込み、さらに港湾や道路のインフラ開発が進むといった戦争特需も創出してきました。

こうした周辺国の混乱にも拘わらず、比較的安定した国家であり続けられたのは、これまでの国王の平和維持に対する政治的感覚が優れていたことも一因です。
また、秘密警察の能力が極めて高く、現在でも国内の治安維持に貢献しています。

小国であること、諸外国と友好関係を築いていること、治安・政治が安定していること等、ヨルダンの置かれた環境を中東地域援助における強みと捉え、各種支援団体がアンマンに拠点を置き、中東の動向を見つめています。
それだけでなく、戦災国関係者と支援団体がアンマンで協議を頻繁に実施しており、さらに戦後の経済発展を支える各種民間企業もアンマンに集結し、事業展開のタイミングを見計らっています。

このためヨルダンでは中東において支援を必要としている国、支援を実施する団体、民間企業のそれぞれの動向について把握することができ、中東地域全体の動きを俯瞰できる、極めてユニークな立場にあると言え、この利点を中東地域支援に活用していくことが重要であると考えます。

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