ヨルダンでの世界金融危機の影響は限定的2009-09-30 22:40

世界金融危機のヨルダンに対する影響については極めて限定的であると言えます。

世界金融危機が発生した当初、ヨルダンの景気は概ね好調であったこと、世界的不況との接点が限られていたからです。

しかし、9月に発表された第3四半期の決算を見ると、ヨルダンでも世界金融危機による影響が民間銀行のパフォーマンスに少なからず現れていることが分かります。

Arab Bank Groupの営業収益は昨年同時期と比較して8%減(977.7milUSDから898.9milUSDに減)。上半期税引き前利益は26%減(572milUSDから452milUSDに減)。

Housing Bankにいたっては、上半期税引き前利益が50%減(90milUSDから44milUSDに減)。

ヨルダン中央銀行によれば、上半期税引き前利益は平均して約30%減少したとのこと。

この原因として、ヨルダンの民間銀行にとって住宅ローン等の融資業務は利潤をあげる商品であるにも拘わらず、ローンの審査基準が厳しく、さらに世界金融危機もあって新規融資については慎重になったこと。

ヨルダン中央銀行は2008年11月以降3回にわたり金利を引き下げましたが(現在5.25%)、もっと早い時期に金利を下げるべきだったとの批判も一部ではあります。

ただし、実際のところ、新規ローン審査にあたって、不適格となったのは全体の9%であると報告されており、銀行預金残高は増えたようです。
消費者側も世界金融危機の影響について慎重になり、新規借入や投資等を控えたことが分かります。

世界金融危機の最悪期が過ぎたことにより、2010年前半にはヨルダンの銀行部門も回復し、ヨルダン経済も序々に回復するとの見方が強まっています。
(↑)ヨルダンのお札は歴代国王
ドルペッグ制の採用により1JD(ヨルダン・ディナール)=1.41USD

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://urban.asablo.jp/blog/2009/09/30/4615463/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。